ケーブル(Cable)

ケーブル(Cable)

ケーブルの技術的な側面は測定にかからないような微細なもので、ケーブルによる音質変化は理論的には説明しがたいが、実際に音質は変化する、としか言いようがない。

ケーブルの音を変える要素

ケーブルの音を変える要素

ケーブルの音を変える要素は、主に導体、構造、絶縁体の三つである。そしてRCAケーブルにおいては、プラグという要素が加わる。これらはケーブルの中で何か起きているかという現象と密接に関係してくるので、切り離して考えることはできない。
素材や構造によって音が変わるのは確かだが、なぜその素材が使用されるのかや各構造の意味を理解するためには、信号伝送の過程で生じる(と推測されている)事柄を知っておいた方がいいだろう。

導体

一般的に定義があいまいではあるが、導体とは、電気を伝えるための材質であり、その一本一本のことを素線とよぶ。素線を何本か束ね、プラス側、マイナス側の線が作られるが、それを導体(芯線)という。
材質によって異なるが、導体には抵抗があるが、これを直接問題にすることはほとんどない。これはオーディオケーブルで使われるような材質は、直流抵抗は無視できる程度の差でしかないことによる。純度や結晶構造は、抵抗値以外の部分にむしろ意味がある。
ケーブルには線間容量というものがあり、容量というのは静電容量、つまりコンデンサー的な性質を持つ。コンデンサーはハイパスフィルターとして使われる程度で、この容量が大きいと高城特性が劣化する。
特に素線一本一本を絶縁体で被覆してあるリッツ線の場合は、さらに容量が大きくなる。スタジオなどで長い距離をとる場合は問題視すべきかもしれない。抵抗と容量はケーブルの二大要素として仕様に表記されているが、オーディオ用として一般家庭で使う程度の距離では、ほとんど問題はない。
ただ抵抗と容量は相反する要素で、抵抗を下げるために線を太くすると、容量が増えるので、一般的に両方を同時に下げることはできない。しかし、構造によっては同時に下げることも可能とするメーカーもある。

RCAケーブルに流れるのは交流信号だが、これにより様々な現象が起きる。
まず導体に電気を流すと、その周囲に渦巻き状の磁界が発生する。この磁界は次に電界を生じ、その電界がまた磁界を生む、つまり、電界と磁界の交差が無限に続く。これが電磁波つまり電波である。実際には減衰して途中で消滅してしまうが、電気と磁気とは不可分の関係にある。
ケーブルの芯線は一般的に複数の素線でできている。一本一本の線には同じ信号が流れるが、それぞれの周囲に同一方向の磁界が生じている。これによって素線同士は互いに排斥し合い、遠ざかろうとする。そしてこの力は信号の変化に応じて変わるので、ここに導体の振動という問題が生じる。

ケーブルの絶縁体

絶縁体は芯線同士が接触してショートするのを防ぐために使われているが、またこの導体の振動を制御する役割も担っている。そして振動を過度に抑えると、抑えられたエネルギーが再びケーブル中に戻って遅れた信号となる。このエネルギーの大半は低域信号によるもので、高域信号が低域信号によって揺さぶられる(変調(モジュレーション))。
導体の周囲には常に磁界が生じ、その磁界の周りにまた新しい電界ができるが、この電界は信号とは逆の向きに生じる。これが導体の中を逆流しようとするため、逆起電力が起きることが知られている。この逆起電力は本来の信号の流れを妨げる。
つまり一種の抵抗成分だが、これをインダクタンスという。インダクタンスは普通コイルについていわれるが、直線であるケーブルにもこうした現象は発生する。 導体の周囲にどれくらいの磁界ができるは絶縁体によって変わる。比誘電率という数値で表されるが、これが低いほど磁界を生じにくい。
比誘電率は真空の誘電率を1とした場合の比で、最も低いのは空気である。ただし空気では線同士が接触してしまうので、普通は固体の絶縁材を使う。またこのインダクタンスを抑える、あるいは制御するために、独自構造を採るメーカーもある。抵抗・容量と並ぶもうひとつの重要な要素で、インダクタンスを普通Lと表すが、抵抗のR、容量のCと併せてL/C/Rと表記することもある。

導体の表皮効果

導体の表皮効果

直流電流   導体断面全体を均一に流れる
交流電流   高い周波数の信号が表面に集中して流れる→表皮効果

導体中を交流信号が流れると、前述した磁場の影響で、高周波信号ほど導体の外側を流れることがわかっている。これを表皮効果という。これ自体は大きな問題ではない。 しかし導体を太くしてゆくと(例えば抵抗を下げるためなど)、表皮部分は半径に比例するだけだが、断面積は半径の2乗に比例して増加する。このため線が太くなるほど高周波の通りやすい外周部の面積は、断面積全体に比べて比率が低下し、相対的に抵抗が大きくなる。平たくいえば、線が太くなるほど高城特性が劣化するというものである。
これを避けるためには線を細くすればいいということで、極細線を何百本も束ねたケーブルなども現れたこともあるが、理論上、表皮効果が生じるのは、20khzで0.5mm以上といわれるため、細ければいいというものではない。しかし、ケーブルにおける問題点として最初に指摘されたものであり、現在でも多くのケーブルが表皮効果対策をうたっている。

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