シンバルは材質、形状、口径、厚みによってそのサウンドがかなり影響される楽器であり、材質や形状によって、
サウンドの種類が多い。
シンバルは合金製で、基本的には銅とスズの合金の青銅(ブロンズ)、青銅にリンを混ぜたリン青銅、そして銅と亜鉛の合金のブラス(真ちゅう)の3種類の材質からできている。
原料の混ぜ具合などは各メーカーごとに微妙な違いがあり、独特のノウハウで製造されている。
シンバルの材質特性
- 青銅 落ち着いたマイルドなサウンドが特徴で、オールラウンドに対応する。最も一般的。くすんだ金色
- リン青銅 明るくきらびやかなサウンド。やや硬質。赤っぽい。
- ブラス(真ちゅう) 音のヌケはいまひとつだが、柔らかいのサウンド。上の2つの材質に比べると、低価格。黄色。
シンバルは、同じ材質であっても、その製造の過程つまりプロセスの違いでサウンドの性格を微妙に左右する。
切削加工やメッキ加工、特に丸く成型した後の強度を高めるための工程(ハンマリング)機械で行うか、職人がハンマーで仕上げるかで、価格、サウンドが違ってくる。
職人が仕上げたものの方がより落ち着いた暗めのサウンドになり、ジャズやフュージョンのドラマーに好まれている。
主な生産国は、トルコやスイス、ドイツ、アメリカ、カナダなど。
主なメーカーは、
- Zildjian
- Sabian
- PAiSTe
- MEINL
- istanbul
- Istanbul Mehmet
- Diril
- Agean Cymbals
- UFIP
- Soultone
など
ハイハットシンバル
ハイハットシンバルは、主にビートの基本となるリズムを刻む役目をする。
2枚のシンバルをかぶせてスタンドにセットし、ペダルでその開き具合を調節する。
サイズは主に13、14、15インチ。
14インチが一般的だが、13インチはレスポンスの良さからレコーディングに使われることが多い。
音量を大きく出せるため、演奏が盛り上がってきたときに使われる。
楽譜には五線の弟1間に×で表記される。
ライドシンバル
ライドシンバルは、ハイハットシンバルと同様に主にビートの基本リズムを刻むためのシンバル。
ライドシンバルのサイズはシンバルの中で最も大きく、14~24インチまで。厚めのも
のはピッチ(音の高さ)が高く、粒立ちのはっきりしたサウンド。
薄めのものはピッチが低いため、倍音が豊かなのが特徴。
カップ(Bell、ベル)と呼ばれる中心の盛り上がった部分で力強いビートが刻める。
楽譜は一般的に五線の上第2間に×で表記されるが、楽譜出版社などで統一はされていない。
クラッシュシンバル
クラッシュシンバルは、主にアクセントとしてショットされる。通常、2、3枚以上セットされることが多い。
クラッシュシンバルのサイズは各メーカーとも約13~20インチまで豊富に揃えられている。
もちろん大きいものほどパワフルだが、、一般的には16、18インチがよく使われている。
記され方はまちまちだが、一般的に楽譜には五線の上第2間に表記される。
スプラッシュシンバル
スプラッシュシンバルは、独特なサウンドで、ふとしたアクセントなど効果音的に使われる。
厚さはかなり薄めで、サイズは6~12インチと小さい。
このため、サスティン(音の伸び)はかなり短い。
スプラッシュの楽譜の書き方はほとんど決まっておらず、クラッシュシンバルとして表記されることが多い。
チャイナシンバル(チャイニーズ、スウィッシュ)
チャイナシンバルは反ったエッジが特徴的なシンバル。“スプラッシユと同様に効果音的に用いられる。
チャイナシンバルのサイズは16~22インチ。18、20インチあたりが一般的。
クラッシュシンバルとして記譜されることが多い。