ハイハットとは、13インチから16インチ位の口径の小さなシンバルを向き合うように重ね合わせ、これを水平にセットして足で開閉したりスティックでショットするシンバルである。
水平にセットされたときの上になるシンバルをトップ、下側をボトムという。
ビートの基本リズムをつくり出すのが、ハイハット。
そのサウンドにいろいろなニュアンスを加えるための、いくつかショットのスタイルがある。
また、動きとしては、バスドラムを踏むときにハイハットを開く、バスドラムを踏むのと同時にハイハットを閉めるなどの表現方法がある。
ハイハット・ショットの基本的な奏法としては、アクセントとノー・アクセントの2つのショットがあげられる。
アクセント・ショット/ノー・アクセントショット
ハイハットのアクセント・ショット、ノー・アクセントショット。
アクセント・ショット
アクセント・ショットのスティックの当て方は、シンバルの面に沿うような角度であてるのが基本。
ハイハット・シンバルのエッジ部分をスティックのショルダ一でショットするのがポイント。
激しいビートには、スティックを少し立てた感じで当てるとより雰囲気が出せる。
ノー・アクセント・ショット
ノー・アクセント・ショットは、シンバルの半径の中心部(エッジから3~5cm位)をスティックのチップ部分であてるのが基本。
主に8ビートなどロックやポップスのリズムで使われるハイハットは、一般的に拍のアタマを強調するために、アクセントとノー・アクセントが交互にショットされることが多い。
ハイハット・オープン/ハイハット・ハーフ・オープン
ハイハットは左足で踏んでいるペダルを操作することによってもサウンドのニュアンスを変化させることができる。
ドラムの楽譜上では、ハイハット・オープンは音符の上に○で書き表される。そして次の音符で閉じるときには、音符の上に十を書き、2つの音符をタイ(⌒)でつないで表される。ただし、最近ではより楽譜を見やすくするために十やタイは省略されることもある。
ハイハット・オープン
基本ショットは2枚のシンバルを閉じてショットするが、このハイハットオ-プンはリズムに合わせて、シンバルを開いた状態でショットし、すぐに閉じるという動作。
主に、アクセントやフレーズの区切れなどに見られるテクニックでもある。
これはシンバルを開くという左足のペダル動作とスティックのショットの2つの動きを同時に行うもので、これらがうまくかみ合わないとハギレのいいサウンドを得ることができないため、ある程度のトレーニングが必要になる。
ハイハット・ハーフ・オープン
ハイハット・ハーフ・オープンは、音符の上部に矢印で“H.H.HalfOpen”と記される。
これは2枚のシンバルをほんの少しだけ開いた状態にして、ビートを刻むというテクニック。
ハイハット・オープンのビール・ダウン奏法と同じく、かかとを下ろしたままビート・パターンをショットする。ルーズなサウンドで音量も大きく、主にロック系ミュージックなどで激しい曲やテンションの盛り上がったときなどにプレイされることが多い。
ハイハットのペダル動作
ハイハットのペダル動作として、特に左足のペダル動作には2通りがあるが、その具体的な方法をクローズの状態とともに以下に紹介しておこう。
クローズの状態
普段はきっちり閉じておくために、かかとは少し浮かせぎみにして、 体重をつま先の方へかけてお<。
ヒール・ダウン
ヒール・ダウンは、ビギナー向き。これはヒール、つまりかかとをペダルのフット・ボードの蝶番のとこるに下ろし、つま先の力を少し抜くような感じでシンバルを開く方法。体のバランスが取りやすいため、遅いテンポで長めに開くときなどは有効な方法。
ヒール・アップ
ヒール・アップはクローズの状態から、さらにかかとを少し浮かせてシンバルを開くという方法。ひざから足全体を少し持ち上げるように動かすのがポイント。
テンポの速い曲など、スピーディに動かしやすい反面、体のバランスを保ちにくいのが難点。
ハイハットヒットクラッシュ
ハイハットヒットクラッシュは、クラッシュやシンバルロール(クローズド)音を出す。ハーフオープンで行い、ハイハットトップを単体シンバルとみなしてショットする場合。音の長さをコントロールできる。
フルオープンで使用することはあまりない。
ハイハットフット(フットクローズ)
ハイハットフット(フットクローズ)は、ハイハットシンバルをスティックでヒットしない足踏み奏法。