スネア・ドラム(Snare drum)は、非常に高音での歯切れの良い楽器であり、ロック・ミュージックの特徴である、アフター・ビートアクセントを叩き出す役目をする。
裏面専用ヘッドで、スナッピー(スネア、響き線)を鳴らすことが大きな役割なので、かなり張った状態が基本になる。
スネア・ドラムのヘッドはある程度強めに張ったほうが歯切れの良い音色が出せる。
スネアサイドが緩いとスナッピーの振動を吸収してしまい、小さな振動や大きな音で生じた衝撃がスナッピーまで伝わらない。
一般的にはスネア・スタンドに乗せた状態で、ほぼ身体の正面にセットされる。
タム・タムとの根本的な違いは、裏面に張られているスナッピーの有無である。五線譜の第3間に記される。
スネア・ドラムの基本的サイズ
スネア・ドラムの基本的サイズは口径が14インチ、そして深さは5~6.5インチになる。
口径、深さの種類は一般的に
口径:10, 12, 13, 14(インチ)など
深さ:3, 3.5, 4, 5, 5.5, 6, 6.5, 8(インチ)など
深いものでは8インチとかなり深いものになり、よく鳴らすにはパワーが必要になるが、サウンドもそれなりにヘヴィになる。逆に浅めのモデルはスナッピーのレスポンスが良く、繊細なフレーズのプレイには向いているといえよう。
スナッピー
スネア・ドラムの裏に張られたコイル状の針金の帯のことをいう。
その材質やコイルの巻き方、本数などその要素によってスネア・ドラムに与えるサウンドの影響はかなり大きい。
スネアの張りが弱かったり、シェル(胴)に対してスネアが真ん中に取り付けられていなかったり、スネアが伸びているとスネアの効きが悪くなる。
スナッピーをオフの状態にした時の残響がオンの状態でもあまり変わらない音の張り方が目安。
ストレイナー
スナッピーのon/offスイッチの部分、張り具合を調節するネジの部分、そしてスイッチの反対サイドのスナッピーを固定しておく部分で構成される。これらもメーカーや個々のモデルによってその形状は様々であるが、サウンド面に対する影響はそれほど考えられないため、一般的にはあくまで機能や使いやすさで選ばれている。
フープ(リム)
ヘッドを押さえておく金属製の輪で、ボルトによって本体に固定される。
各メーカーごとにいろいろなものが開発されていて、一般的には厚さ約1.6ミリの標準タイプと約2.3ミリの肉厚タイプ、そして最も厚く頑丈に鋳造されたダイキャスト・タイプの3つがある。フープは薄いほど明るいサウンドでレスポンスが良く、厚いものほどパワフルでアタック感の強いサウンドになる。
ラグ
シェルとフープを固定するボルトをねじ込むための金具のことで、舟型ともいわれる。
最近では、ラグの形状によってもシェルの振動に少なからず影響を及ぼすために、各メーカーともいろいろなタイプのものを開発している。
基本的にはラグがシェルに接している面積が少ないほど、よりナチュラルな鳴りが得られる。
スネア・ドラムの場合、ラグの数(ボルトの数も同じ)は8または10個で設計されている。
8個ラグはショットする位置によって微妙にサウンドを変化させることができる。
10個ラグはより均一なチューニングができるためシヨットする位置によらずサウンドは安定する。
EQ(イコライザー)でスネアの音質を調整するポイントは300Hz付近になる。ブーストすると存在感がでる。