スネア・ドラムやバス・ドラムなどタイコ系のパーツに必ず張つてあるのがこのヘッド。
ドラムヘッドとはシェルの打面(トップ)及び裏面(ボトム)に張られた皮のことである。
かつては牛や馬の皮をなめしたものがヘッドとして使われていたが、湿気など天候次第でチューニングがすぐに変化してしまうデメリットを持っていた。現在では本皮(カーフスキン)が使われることはまれで、どんな天候でも影響を受けないプラスティック製のヘッドが主流。
現在ではいろいろな処理を施されたものが開発されているが、ヘッドの種類によっては同じドラムでもサウンドがかなり大きく変化するほど影響を与える。ドラムヘッドの厚さは、エンペラー(一番厚く、丈夫であり硬い音)、アンパサダ(中間。標準的)、ディプロマット(最も薄い。繊細)と大きく分けて3種類になる。ドラムメーカーのPearl、Ludwig、TAMA、YAMAHAなどからも発売されているがヘッド単体ではREMO、EVANS、AQUALIANなどが名を馳せる。
当然のことながら、ヘッドを交換することでドラムの音質は変化する。
ここではその種類や特徴について説明しよう。
ドラムヘッド種類
まずは、ドラムヘッド種類について見ていこう。
クリア・タイプ
透明なフィルムで、多くの種類の中で最もベーシックなタイプ。
明るめのサウンドで、音の伸びもあるのが特徴。
癖のない明るく伸びのある音色で、全てのシェルで使われる。
コーテッド・タイプ
クリア・タイプのものに白いコーティング加工をしたもので、表面が少しざらついている。
これはトップにもボトムにも使われる。
ブラシを使うには欠かせないヘッド。クリアよりも多少丸みを帯びたサウンドが得られる。
クリア・タイプよりマイルドな音色で、特にスネアに使用される。
ドット・タイプ、CS(コントロールサウンド)
クリア・タイプの真ん中にさらに小さいフィルムを張ったもの。
インパクトのあるアタック音が特徴。
余分な倍音をカット(ミュート効果)し、サスティーンを抑えしてアタックの強いサウンドを出すことができる。
色は黒やシルバーや白などメーカーによって異なるが、タムやバスドラのトップに使っているドラマーが多い。
ダブル・フィルム・タイプ
薄めのフィルムを2枚重ねにして、ドット・タイプよりもさらに倍音を押さえたもの。
2枚のフィルムが互いに振動を打ち消しあい、よけいな倍音が抑えられ、どっしりした太めのサウンド。
特に低いチューニングをする時に力を発揮し、タムやバスドラのトップに使っているドラマーが多い。
ミュート内蔵タイプ
最近ではクリアやコーテッド・タイプのもののエッジ部分(縁)の内側に、リング状のミュートをあらかじめ装着してあるタイプもある。
ただし、これらはスネア・ドラムとバス・ドラム用のものに限られている。
スネア・サイド・ヘッド
これはスネア・ドラムの裏面専用のヘッドで、ほとんどの場合このタイプが使われている。
スナッピーのレスポンスを高めるためにかなり薄くできているのが特徴。
また、スウェードタイプなどもある。
REMO レモ ドラムヘッド14/エボニースウェード SU-14ES/CS
コーテッドのミッドレンジの安定感とクリアーの明るさやヌケのよさをブレンドしたあたたかくオープンなサウンド。