マイク指向性

マイク指向性

マイクロフォンの指向性(指向特性)とはマイクが拾うことのできる音の範囲のことである。
「マイクをどの角度で音源に向ければ一番感度良くピックアップできるか」この性能はマイクによっても違いがあり、異なる特性をスイッチの切り替えで1本に併せ持たせたモデルもある。基本的にあまり種類はない。マイクロホンの「指向性」はユニットの特性、置きかた、音の進入経路などさまざまな要素から決定される。

指向性の種類

マイク指向性の種類

まずは、マイクの指向性の種類から見ていこう。

全指向性(omnidirectional/通称オムニ)

無指向性ともいわれるが、マイクロフォンが誕生した起源から存在するものとして、この全指向性のタイプがある。
マイクの収音範囲は360度、全方向からの音を概ね均等にピックアップする。
つまり、置かれた場所に集まった音のすべてが、振動板に届いて電気出力となる。
したがってマイクを中心に周囲にある音すべてに反応するため、PAでは目的とする音以外も拾ってしまうことになり、また、フィードバック現象の元凶となるので、積極的に使用される機会は少ない。しかし、ナチュラルなサウンドを採取できる性能から使い方次第では威力を発揮する。

SHURE/シュアー マイクロフレックス・無指向性ラベリア・コンデンサー・マイクロフォン WL183

SHURE シュア BETA 181/O  無指向性

SHUER BETA 181/O(無指向性)は様々な設置環境や用途で活躍するサイドアドレス楽器用マイクロフォン。手のひらに収まるほどの極めてコンパクトなサイズを実現している。

SHURE シュア BETA 181/O 楽器用 コンデンサーマイクロフォン 無指向性

双指向性(bidirectional/ツインディレクション)

マイクロフォンの正面、およびその裏側からの音に対して感度が高いもので、リボンマイクロフォンなどがこの特性を持っている。
正面と裏側とではその構造上、位相(フェーズ)が逆転しているのが特徴で、リボン状の金属箔が音で震えることの応用で電気を起こす構造を持つ。
リボン状の金属箔は本体フレームの中で空気振動を受けやすいように、上下を固定して軽く張った状態になっている。
ラジオパーソナリティーの収録など、話し手が向かい合って対談する時など双方の中央にマイクを置いて、1本のみで収録ができる。

SHURE シュア BETA 181/BI  双指向性

SHUER BETA 181/BI(双指向性)は様々な設置環境や用途で活躍するサイドアドレス楽器用マイクロフォン。手のひらに収まるほどの極めてコンパクトなサイズを実現。

SHURE シュア BETA 181/BI 楽器用 コンデンサーマイクロフォン 双指向性

単一指向性(unidirectional/通称カーディオイド)

PAで最も多用されるマイクロフォンがこの単一指向性
これはマイクの前方方向からの音を集中的にピックアップできる構造を持っており、ねらった音だけをとらえたい場合に適切な特性を持っている。
振動板の後ろ側に音の通り道として穴や溝が設けられており、後方で鳴った音は、まずこの穴や溝から入って振動板の裏側に届く(間接音)。
同じ音は回り込み、少し遅れて振動板の表側にも届く(直接音)。
穴や溝から振動板の裏側までに障害物などを置いて間接音の速度を遅らせ、直接音と同時に到達するようにすると、
この音は振動板の表裏で同時に生じた同量のエネルギーとして相殺され、電気出力にならない。つまり、回り込んでくる周囲の音はキャンセルされる。
なお、マイクヘッドを握った時にでるハウリングはイコライザーで2kHz付近(1.25~2.5kHz)を下げると解消されることがある。

SONTRONICS STC-6 ハンドヘルド 単一指向性 コンデンサーマイクロフォン

SONTRONICS STC-6 ハンドヘルド 単一指向性 コンデンサーマイクロフォン

斬新なデザイン、精度の高い品質、抜群のコストパフォーマンス。
国際的に活躍する多くのアーティストやプロデューサーが認めたSONTRONICS(ソントロニクス)のマイクロフォンです。

STC-6は成功を収めたオリジナル・ハンドヘルド・コンデンサー・マイクロフォンSTC-5をベースにしていますが、基本から完全に新しい設計を行いました。スタジオ・クオリティーの金をスパッタリングした単一指向性カプセルを搭載しており、常にクリスタル・クリアーなパフォーマンスを提供します。
ダイナミック・マイクロフォンより感度が良く、STC-6は音声やその他の楽器の細かい部分まで捉え、スタジオ・マイクでしか聞くことができないような明瞭さや鮮明さを持っています。
単一指向性の極性パターンはカプセルの側面から入ってくる音を防止するので、ステージでクリアな音像を得ることができます。マイク背面に埋め込まれているスイッチで、スタンド設置時にステージ・ノイズを抑制する75Hzハイパス・フィルターと、爆音を録音するときにオーバーロードの危険性を回避するための-10dBパッドを切り換えることができます。
22mmのカプセルはショック・マウントの受け台に設置されており、ハンドリング・ノイズを抑制することができ、ボディーの放射状の溝によって多くのパフォーマンスで要求されるグリップを維持することができます。信頼性を高めるために、電極棒の先をスパイクすることで、酸化を防止し、常にカプセルの電極に正圧がかかるようになります。
STC-6は頑丈で軽量なアルミニウム・ケースとマイク・ホルダーを付属しています。

周波数特性:30Hz-20kHz
感度:8mV/Pa -42dB±2dB(0dB=1V/Pa@1,000Hz)
指向特性:単一指向性
インピーダンス:<=200Ω
等価騒音レベル:14dB(A-weighted)
最大SPL(for 0.5%THD@1,000Hz):140dB
電源供給:ファンタムパワー48V±4V
パッド:-10dB
フィルター:75Hz
コネクター:3-pin XLR

SHURE シュアー マイク SM57-LCE 単一指向性ダイナミックマイクロフォン

ステージや放送、レコーディングから会議、講演と様々な分野で最も広く使用されている超ロングセラー、ダイナミック・マイクロフォンの傑作。タイトな指向性と適度なプレゼンス・ピークを持つ周波数レスポンスによって、かぶりを最小限に抑えて各楽器をセパレーションよくクリヤーにピックアップします。
周波数特性 : 40Hz~15kHz
出力インピーダンス : 150Ω
開回路感度 : -54.5dB re 1V/Pa
コネクター : XLR3ピン、オス
SIZE : φ32mm×全長157mm
WEIGHT : 284g

その他、狭指向性、鋭指向性、超指向性などがある。これらは狙った方向の延長線上にある遠い音を捉えるときに使われ、単一指向性に対して指向性をさらに狭角にしたものである。

audio-technica  AT4050ST

audio-technica オーディオテクニカ / AT4050ST (ステレオコンデンサーマイクロフォン)

世界的ベストセラーとなったAT4050のステレオマイクロホン。
広い周波数帯域において秀逸な指向特性を実現する1インチ大口径ツインダイアフラムはそのままに、単一指向性と双指向性を持つ高感度マイクユニットを独立搭載。MSダイレクトとXYワイド(127度)、XYナロー(90度)2種類のステレオモードに設定可能。スタジオでの正確な定位が求められるアンビエント収音やロケーションでのサラウンド収録など多様なシーンに対応。独自のトランスレス回路が上質なフラットレスポンスを実現。低域の歪みをなくし、過渡特性においても安定した応答を実現。
新開発「ダブル・ウェーブ・ダイアフラム(PAT.P.)」を採用。クラスを超越した感度特性、超ローノイズレベルを実現。
専用ショックマウント、5ピンXLRM −3ピンXLRM×2マイクケーブル、ダストカバーとマイクキャリングケースが付属。
暗騒音を効果的に低減する80Hz・ 12dB/oct.ハイパスフィルター、あらゆる現場で重宝する−10dBパッドスイッチを標準装備。
携帯電話やワイヤレスインカム、電波に対するRF対策を強化。ノイズを軽減し環境の悪い現場でのトラブルを解消。

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